この記事の公開日:2023.04.29
▲高知県の中央部を流れる仁淀川。別名「仁淀ブルー」の名はあまりにも有名だ。地元の者から見れば日常の見慣れた川なのだが、県外からのお客人たちはこぞって「水が綺麗‼」と感嘆の声を上げる。それもそのはず、その水質の良さが何度も日本一に輝いているのである。
▲今回は、その上流に位置し水質が綺麗で神秘的な蒼さを誇る「にこ淵」を紹介しよう。
ただひたすらに 山の中を目指す
▲上流ということは、かなり山の中にあるということ。いの町の街中を抜けると、仁淀川に沿ってひたすら山の中を目指して行く。
▲高知自動車道の、いのI.Cから車で行くこと1時間前後。山・山・山・山…。写真では分かりにくいがずうっと仁淀川沿いを上っていく。
▲ようやく着きました。にこ淵周辺の山道には幾つか駐車場が設けられている。自家用車位のサイズであれば、難なく山道を通って駐車場までいくことが出来る。
神秘の淵を拝む前に 試練がひとつ…
▲滝壺には、此処からひたすら降りていくだけだ。ところで、あまり知られてはいないが、にこ淵は個人の所有地である。あくまでも、地権者の好意により立ち入りが出来るのだ。
▲車道から見下ろすと、鮮やかな色をした滝壺が顔を覗かせている。これは地権者が、お客人のために「ブルーの水面が見えるように…」と、おもてなしの心からあえて雑木等を刈り取ったもの。
▲滝壺まで山道から約50m、階段にして90段程の道のりである。結構急な階段だが、ご覧のように足元は綺麗に整備されているから一安心。でも「行き(下り)は良いヨい、帰りは(上り)辛い…」かな⁉
▲階段が急角度になっているのがお分かりだろうか!?
降りたら感じる⁉ 降りて来てよかった‼
▲目の前に現れたのは、(神秘的な)水面の蒼・苔の緑、そして流れ落ちる滝の白が一体となった見事な光景。まさに、これを「絵になる光景」と言うのだろう⁉ (※個人の感想です)
▲この地には「水神の化身である大蛇が棲む」という伝説がある。そのため、地元民たちは近寄らない神聖な場所である。ゆえに、入水・飲食・トイレ等は禁止されている。
▲G.W~初夏の場合、より鮮やかなブルーを楽しむのなら、滝壺に日差しが入る昼前後がお薦め。なお季節・天候・見る角度等の条件により表情は絶えず変化しているのでご注意を。
一見 神聖で神秘的な光景も 視点を変えると…
▲お客人たちは思い思いの場所や方法で、感動したシーンを切り撮っている。
▲ん⁉ ということは、視点を変えるとご覧の通り‼ 人・ひと・ヒト…
▲県内外からのお客人たちで、満員御礼状態なのだ‼
▲撮影中(2時間)には、お客人が入れ代わり立ち代わりして途絶えることはなかった。秘境だというのに皆さんよくご存じで…
この水は やがて大河へと流れゆく
▲実は正確にいうと、この辺りは仁淀川ではなく支流の枝川川である。下流域で上八川川に合流後、やがて本流の仁淀川へと、合流を繰り返しながら土佐湾に流れ着くのだ。
▲途中(例え)どんな障壁があったとしても、最後には必ず河口(土佐湾)までひたすら流れていく。
▲川の流れに見る「継続は力なり」…それにしても、私たち人間は自然から学ぶことが多い。
(※本ページ掲載写真の撮影は、2022年5月のG.W)
コメント
普段我々が何々色などと言って他者と共有できている色の数はどれ位あるのかねえ
仁淀川はすっかり仁淀ブルーで名をあげたけど同じ川でも場所により時間帯の変化や日差しのあるなしなどによって千変万化
単にブルーだけでは言い表せない様々な色合いを見せてくれ愉しませてくれるよね
音に聞く「にこ淵」の水の綺麗なこと立ちすくむ色やわ
その色調をボキャ貧の老生は的を射る表現で言い表せないのがもどかしく圧倒される色合いをスゴイ!キレイ!と言うしかないのが歯がゆいね
ほんまに滝壺から何かが出てきそうでまさしく神秘的としか表現しえないか
個人の所有地をここまで開放してくれているとはありがたいことやね
人が識別できる色の数は、虹に代表されるように可視光線と呼ばれる領域のものです。
その数は一般的に100万色とも言われていますが、パソコンのモニタは通常1677万色を再現しています。
つまり、普段意識していなくてもそれだけの色を識別出来ていると言う事になります。(※個体差を除く)
人間って凄いんですね。
ところで、仁淀川を流れる水の色を「通称:仁淀ブルー」と呼んでいますが、
実は仁淀ブルーと呼べるのは川の上流の色のみという事をご存じでしょうか⁉
見た目にも蒼(ブルー)なのは上流のみなんです。
つまり、中流域から下流にかけては、正確には仁淀ブルーではありません。
便宜上「仁淀川を流れる水の色=仁淀ブルー」と呼んでいるだけなんです。(※現地で関係者への独自の取材に基づく)
それでも「仁淀川の水質が日本一」であることに変わりはありません。
とても綺麗なんです。
ところで、この「仁淀ブルー」というフレーズ、もとは地元のプロカメラマン(男性)が生み出したものです。
彼は、皆が「仁淀ブルー」というフレーズを気軽に使い広めてくれれば高知のために貢献すると考え、商標登録はしませんでした。(※独自の取材に基づく)
土佐人気質でしょうか。その潔さに頭が下がります。
一方、高知県西部地域を流れる「最後の清流:四万十川」は、その名称自体が今や「ブランド」として全国に知れ渡っています。
これは某国営放送の紀行番組のタイトルが大きな影響を与えています。
「仁淀ブルー」のブランドは「四万十川に追い付け・追い越せ」というのが現状かもしれません。
ここでも、マスコミの力が重要になってくるんですね。
しかし今はSNSの時代。
誰もが情報発信者になり得る訳なので、これからはお客人達の発信力が後押ししてくれることでしょう。
以上、今回もプチトリビアでした。