この記事の公開日:2023.8.20
▲南国土佐(高知)で誕生したよさこいは、今や「YOSAKOI」として日本全国のみならず世界29の国と地域に広がっている。
▲今年8月中旬、コロナ禍の影響で近年中止されていたよさこい祭りが4年振りに帰ってきた。そこでその熱気を、今回も独自の視点で切り撮ってみました。本場:高知のよさこい祭りの光景をたっぷりご紹介します。(※よさこい情報交流館内のカットは、許可を得た上で撮影・公開しています)
▲今回撮影に用いたのは特別な機材ではなく、スマートフォン1台のみ。果たして何処まで熱気を表現出来たのかご覧ください。※なお、大人の事情により「演者・観客・通行人」等、個人が容易に判別出来る部分(顔や一部のロゴマーク)等には全てCG加工(ボカシ)を施しています。
必須アイテム 鳴子と よさこい踊りの音楽
▲よさこい祭りに欠かせないのが鳴子と音楽。鳴子は元々田の稲を荒らす鳥たちを驚かすための道具だった。お隣:徳島県の阿波踊りに負けない、高知ならではのインパクトを出すため採用された。
▲現在では鳴子のバリエーションが増え、踊りの振り付けと共に一層派手さが際立ってきている。
▲さらに音楽として、よさこい鳴子踊りに欠かせないのが民謡:よさこい節。「土佐の高知のはりまや橋で、坊さんかんざし買うを見た。ヨサコイ・ヨサコイ♪」のフレーズはあまりにも有名!?
▲よさこい鳴子踊りの楽曲に盛り込まれているリズミカルな掛け声「よっちょれよ、よっちょれよ」とは、そこをどいてくれ‼」という土佐の方言である。
▲同じく、よさこい鳴子踊りの楽曲に盛り込まれている基本のフレーズ「よさこい」とは「夜さ来い」という土佐の方言である(※ただし現在では用いられることはない)。いずれにしても、豪快な土佐人気質を言い表した絶妙なフレーズと言えるだろう。
よさこい祭りは こうして誕生した
▲高知でよさこい祭りが始まったのは、終戦後の1954年のことである。当時、大空襲や1946年に発生した南海大地震に見舞われた高知の人々を元気づけると共に、落ち込んだ景気回復を目指すためのものだった。
▲地方の小さな都市で、僅か750人(21チーム)の土佐人から始まったよさこい祭り。
▲現在では、国内外から20,000人もの演者たちが集う「よさこいの聖地」となった。近年、本場のよさこいに魅了され高知へよさこい移住をした人が多くいる。
▲2023年はコロナ禍の影響で、演者数=14,000人/チーム数=157(県内×101・県外×53・海外×3/内:初参加×20)だった。
▲よさこい鳴子踊りの演舞に設けられた基本ルールは3つのみ。①「♪よさこい鳴子踊り」のフレーズを入れること。②鳴子を鳴らしながら前進すること。③各チーム共、地方車を用意すること。これらのことから、演舞(参加)するハードルの低さ(気軽さ)が魅力なのだろう。(※正確には、他に最低限の約束事がある)
よさこい節に謳われる 土佐の高知の はりまや橋で…
▲時に日本三大がっかり名所と揶揄される、高知市の中心に位置するはりまや橋。その汚名を返上しようと今年誕生した非公認キャラクター「はりま」と「やばし」。不定期に現れては「小さな橋から大きな笑顔を‼」をモットーに、お客人たちに橋の魅力を伝えるパフォーマンスを行っている。
▲はりまや橋東側に設けられているからくり時計。1時間毎によさこい節の音楽に合わせて、高知城・踊り子人形・はりまや橋・桂浜等が登場する。(※ただし、よさこい演舞期間中は近辺商店街での演舞への影響を考慮して時計以外の機能を停止させていた) お客人たちがたくさん待ち構えていたのに、残念‼
▲大都会では日常かもしれないが、地方都市:高知ではとても珍しい「人・ひと・ヒト」で溢れかえる貴重!?な光景。
▲ワンちゃんも今日ばかりは「よっちょれ・よっちょれよ!?」
撮影場所は はりまや橋東隣の商店街で…
▲よさこい演舞は高知市内17ヵ所(競演場9・演舞場8)で行われた。なお地図にはないが、今年初めて高知大学キャンパス(画面左方向)が加わった。なお今回の撮影は、はりまや橋商店街一択に決めていた。
▲というわけでご紹介するのは、はりまや橋のすぐ隣に位置する長さ130mのはりまや橋商店街。演者たちは手前(東)から奥(西)のはりまや橋方面へ向かって進んでいく。
◆なお、これからご紹介するのは撮影時間帯に演舞を披露してくれたチームの一部です。(※各チームへのキャプション(コピー)には個人の感想が含まれています)
子どもの笑顔に 勝るものはない!?
▲社会だけでなくよさこいの未来にとっても宝である子どもたち。素直な表情を直接ご覧いただけないのが残念だが、楽しんでいる雰囲気は伝わるかな!?
大人は 大人ならではの雰囲気で勝負‼
▲奉納の舞をストーリーに沿って披露したチーム。衣装は狂言からヒントを得ている。よさこいはやっぱり、純和風が似合うんだなぁ…。
▲出場2回目にも関わらず、誰をとってみてもポーズが決まっていたチーム。写真からもその見事さがお分かりになるのではないだろうか!? 中には、親子孫の三代で出場した踊り子の姿も…(※写真中央)。
▲老若男女で演舞を披露してくれた地域合同チーム。年配の方も心から弾けているのがよく分かる。
▲このチームも年配者までもが弾け跳んでいた。日常ではなかなか見せないであろう弾け方に圧倒された。これも、よさこいが成せる業!?
▲ビールジョッキを片手に、驚きの演出を見せてくれたチーム。飲み干すシーン(もちろん真似)では各々が砕けた表情になり、決める時は一糸乱れぬポーズと、そのメリハリがお見事だった。
▲要所要所の決めポーズがユニークだったチーム。40~50代を中心に幼子までも入ったメンバーで構成されているため、身体に無理のない振付となっている。その分、ユニークなポーズがとても印象的だった。
念願の 聖地での演舞が実現‼
▲こちらは、海外(フランス)から初参加のチーム。普段は(自国の)各地で、よさこいの演舞を披露しているそうだ。元々は4年前に来高予定だったが、コロナ禍で断念。今回4年越しの思いが(しかも、よさこい発祥の地で)実現したのである。
▲これは前方の隊列が乱れたのではなく、ビッグウエーブを表現しているワンショット。(※動画だと、その見事さが分かりやすいのだけどね…)
▲カメラ目線はくれるし、微笑みかけてくれるし、何から何までフレンドリーで陽気だった。次回以降も、はるばる来てくれるかな!?
まだまだ 素敵なパフォーマンスが目白押し
▲撮影した全てのチームを紹介出来ないのが残念だけど、その一部が上2枚の組み写真である。「お馴染みのキャラ」もいれば「いつもご苦労様ですのキャラ」もいたりする。そして、音楽が聞こえてきそうなポーズもあったりする。
高知ではお馴染み‼ フラフが隊列の最後尾を飾る
▲高知(特に県東部)では、フラフ(旗)を端午の節句時期に、子ども(男児)の健やかな成長を願って掲げる風習が今も残っている。パタパタと音をさせながら風になびく姿は壮観だ。
▲そのフラフをよさこい祭りで活用することで、踊りのダイナミックさと土佐らしさを演出している。
▲何せ旗のサイズがデカい上、振り回すのでどうしても体感重量が増す。見た目以上に身体に負担がかかってしまうのだ。
▲万一、人やモノに当ててしまったら大事故に繋がりかねない。また、演舞時以外では収納したり運搬したりと何かと大変。
▲そこで、独りでは到底無理‼ 各チーム共、控えの旗手(数名)が後を付いている。
演者を引き立たせるために…
▲踊り子が最大の演舞が出来るように、各チーム共サポート体制がしっかりしているのだ。
▲当日会場へ足を運べない方たちに対し、臨場感を少しでも届けるために、そして踊り子たちを少しでも引き立たせるために、TVクルーは暑くてもダークな色のシャツで頑張る。暑い中、ご苦労様です。
次はあなたも 本家のよさこいへ‼
▲臨場感が体感出来るのは現地ならでは。「お任せを」と言わんばかりに達者なレポート振りだった。
▲2024年には第71回を迎える本家:高知のよさこい。来年も、そして来年こそは、よさこいの聖地へ恋(来い)‼、恋(来い)‼
コメント
「よさこい」は打ち上げ花火がはじけ飛ぶように日本全国の町町に広がった感があって更に海外のあちらこちらでもとは国内の既存の祭り踊りとは一線を画すかねえ
こんなに広まるとは草分け時代には思いよりもなかったろうねえスゴイことやわ
県外からの参加チームも増え海外の踊り子隊まではるばる来てくれて奇特なことよねえ
決まりきった制約があんまり無く衣装も自由で踊り子の持ち物は鳴子両手によさこい節に合わせて踊り歩くだけの気楽な趣で踊れて広場か道路があれば舞台が整い櫓だ神輿だなどとおっこうな風袋がかからないのがええんかねえ
高知のよさこいは戦後に始まった新しい祭りで古希の老生と同級生らしく長く続いてきたもんやわ
県の人口自体はどんどん減ってきゆうに祭りの参加人数はこじゃんと増えてきててねえ
よさこい移住した人まで出てくるとは!
祭りの黎明期には阿波踊りの衣装のように男衆は着流しか法被に手拭いの鉢巻き姿で女性陣は編み笠をかぶり浴衣をからげて裾よけを巻いて足元は下駄というような格好で三味線の音色がきいた演歌調のよさこい節に合わせて鳴子を振り鳴らすといった風情やったけど年を経るごとに衣装は洋風な格好も増えてグングン派手になりリズムは演歌調からテンポアップした舶来調音楽をどんどん取り込み躍動感あふれる踊りに進化してきたよねえ
隊列には土佐名物のフラフがひるがえり高知名代が総出の祭りじゃわ
絶滅危惧種になっちょったら寂しいけんど今でもよさこい祭り草創期からの衣装に演歌調の演奏曲で練り歩く踊り子隊は残っちゅうろうか?
日本全国で昔から踊られてきた盆踊りは伝統的な身振り手振りと足さばきで延々と踊り続けるというスタイルが一般的なように見受けられるけんど昔はいざ知らず現代よさこいの踊りには節目節目に決めポーズが入って来たのが特徴的じゃない?
若い衆がこぞって踊りたがるはずよねえ
ポーズが決まった様はカッコええもの!
老生は古希を迎えて年ごとにコツレてくるけんど同級生のよさこい祭りは年々元気モリモリらしく結構やね
生まれ在所を離れて異郷に暮らす老生にはこのブログの今年のよさこいの有り様はまっこと懐かしかったわ
撮影は木組みのアーケードやから中種商店街でねえ
東隣は昔土佐橋と呼ばれてた所よねえ
祭りではサポート体制が整っていてこそ踊り子隊が踊りに専念できるはず
しっかりサポートチームを捉えた画像を入れたのは一味違った編集やったね
百年二百年後のよさこい祭りがどんなになっちゅうかは想像もつかんけんど底抜けに愉快な祭りとして続いて行ってくれたらええがねえ
ガンバレ若い衆たち!
記事の細部までご覧いただいたことを嬉しく思います。
ありがとうございます。
今や四国…いえ日本を代表する祭りとなった南国土佐のよさこい祭り。
あの年末の全国放送の歌のお祭りにも、雰囲気を盛り上げる小道具として鳴子が度々登場しています。
制約が少なく、チームのオリジナリティーを演出できる祭りは、他では真似できない唯一無二の祭りです。
本祭期間中は「高知の何処に、これだけの人々が隠れていたんだ」とも思う程、人の姿を目にします。
(もちろん、お客人も含まれていますが…)
ところで年々派手になっていく踊りですが、基本に忠実に伝統を守り続ける「正調」と呼ばれる音楽と踊りを続けているチームもあります。
その代表的なのが、県庁や市役所チームです。
食事に例えると、こってりしたアレンジメニューもいいけど、そればかりを食べ続けているとやっぱりシンプルなメニューを食べたくなりますよね。
それらがうまくミックスされ、老若男女に受け入れられているのが「南国土佐のよさこい祭り」だと思います。
80回目にはどのような進化と伝統にお目に掛かれるのか、10年後が楽しみです。(※ただし、それまで元気でいられればですが…)
まずは、来年の祭りまで元気でいなければ…。