この記事の公開日:2023.12.01
▲タイトルの「国分竹灯り:憧憬の路」とは、地域に自生する孟宗竹を使い蝋燭(一部ガラス瓶やLEDを使用)などで幻想的に照らす、国分地区の冬の風物詩である。
▲今回ご紹介する南国市:国分地区では、毎年12月の第一土曜・日曜の二日間にわたり生活道や庭先などが幻想的に照らし出され、訪れたお客人たちの目を楽しませている。今年は明日・明後日の二日間開催される。
▲その会場は、四国霊場29番札所:国分寺の北。豊かな田園に囲まれた人口700人余りの地区である。(※画面中央が国分寺・左手が会場となるエリア)
▲今回は、南国市:国分地区で明日から二日間にわたって開催される「国分竹灯り–憧憬の路-」に合わせ、昨年撮影したショットを中心に(※一部過去分も含めて)ご紹介します。
▲まず、駐車場から田園を貫く道を4~5分ほど歩いていくと、メイン会場の通り(三叉路)に辿り着く。
国分地区:竹灯りの 特長とは?
▲まず、国分地区の竹灯りの特長を5つ挙げると…
▲①地区全体で盛り上げている。②(基本的に)手作りである。③製作は年配者・運搬や設営は主として若年者を中心に…というように、それぞれが出来得ることを分担している点。
▲そして、④住民の車輛が人々の間を通って行くという点である。これは会場が生活道を使っているからなのだが、双方が大人の対応をするため大きなトラブルは挙がっていないとのこと。(※さすが、地区全体で盛り上げているだけのことはある)
▲さらに、⑤巨額の費用でプロが介入することはなく、あくまで住民たちが思い思いのアイデアと素材でお客人たちをもてなしている。ゆえに、費用の高騰を抑えることに一役買っているのである。
▲さらに述べると、このエリアは外灯が少ないため慣れない夜道を歩くのは危険。そこで考え出されたのが、側溝への転落防止のための灯りを際に並べて足元を照らし出している。また壁面はどうしてもスペースが大きいため、暗く長い塊になりがち。そこで(前に)灯りを配置し壁に間接光を当て、明るさを確保している。いずれも、見事な逆転の発想だ。
▲そんなイベントであるからなのか、国分地区の竹灯りには他のまちからの視察団も多く訪れていた。自分たちの住む地域での開催に向けてノウハウを伝授してもらうためだ。(※画像は、子ども会でのイベントを計画していた視察団)
▲さてここからは、昨年撮影(※一部2021年までの分も掲載)したものを中心にイベント(※入場無料)の様子をご紹介していきます。
冬の夜を 幻想的な灯りたちが照らし出す
▲これらは、住居前の駐車場を活用したものである。
▲これは、お客人用駐車場からメイン会場までの道の横にある田園に設置されたものである。
▲これは、住居建設前の広大なスペースを活用したものである。ゆえに、最初で最後の貴重な光景となった。
何と言っても和傘は (和の)雰囲気を醸し出す
▲和傘の重要な構成要素である和紙は、灯具によく用いられていることは皆さんご存じの通り。何とも言えない味わいがある。ずうっと見ていられる…もちろん、外国のお客人にも大人気だった。
工夫を凝らした 様々な灯りたちの饗宴
▲ヨーヨー状の球をした和紙の灯り(LED)や、脚立に施したツリーの灯り(LED)と、瓶の中で揺らめく蝋燭の灯り、そして竹筒の蝋燭の灯りなど、異光源の灯りが見事に融合した光景である。
▲この家は毎年、童話の世界を再現したような飾り付けがなされる人気のスポットである。人様の家を覗き込むという行為は、竹灯りの期間限定でしか見られない珍しい光景であった。
▲画面の左は、生活道から離れた(裏にある)住居まで入っていくための路地に設けられた鉄製のパイプを活用したドーム型イルミネーション。一方右は、農業用ハウスを活用したイルミネーションである。
▲しかし何と言っても、イベントの主役である竹を使った灯りたちには、(さらに)幻想的な趣がある。
目も 身体も 心も魅了される 手作りの竹灯り
▲人は光を目にすると、思わず見とれてしまうのは何故だろう!?
▲寒い夜風の中を歩き疲れた人たちに休憩所(兼売店)では、温かいおもてなしが用意されていた(※有料)。身体だけでなく、心も温まるなぁ。
竹灯りに込められた メッセージ!?
▲民家が集まるスペースの一角には、現代的な形をあしらった(穴を開けた)竹灯りが並べられていた。
▲南国市特産の土佐はちきん地鶏「シャモ番長」や稲穂の穴から漏れる灯りに地域愛が感じられ、思わず心がほっこりしたものだ。
▲これは、メッセージ性が強い珍しい竹灯りである。2023年を振り返ると「終息しないコロナ禍や、相変わらず世界中で繰り広げられる争いごとなどに心を痛める住民の切なる祈り」にも似た願いがこの形になったのだろうか?…などと思いながら、会場を後にした。
▲今年で10回目を迎える「国分竹灯り-憧憬の路-」のテーマは「竹灯す夜の万華鏡」。1,500本の竹灯籠と4,000個の蝋燭やLEDの灯りを駆使し師走の夜を彩る竹灯りは、いよいよ明日12月2日(土)・3日(日)の二日間行われる。(※追記:琴ヶ浜竹灯りの宵はこちらから)
コメント
木々の風景の中へ竹林がじわじわと浸食してきたなあと感じだして幾星霜
すでになまじの手入れじゃ追いつかないだろうと呆然となって幾年月
南国市国分地区の人々は地区に自生している孟宗竹に目を付け有効利用して竹灯りを考え出し手作り感満載の祭りに仕上げたとは大したもんやね
画像を見せてもらうと竹灯り会場は地区の生活道路のようで道の両脇には民家が続いており住民の合意・協力がないとおいそれとは開催できんぜねえ
その祭りが他の地域の視察団からノウハウ伝授を請われだしたとは地元の人は冥利に尽きるねえ
地区の家並みの傍は田園みたいやから生活道に街灯はほとんど無いろうき竹灯りが映えるろうねえ
師走の入り口で日が落ちぐっと冷え込んでくる中の灯りの数々
暗闇に揺らめくロウソクの灯りが見えるとふと立ち止まり灯火に釘付けになりそうやわ
ずっと続けてもらいたい師走の灯りの祭りやねえ
地区住民の発案で始まり、その後行政の協力を経て回を重ねてきた「国分竹灯り-憧憬の路-」は、先日無事終了しました。
今年も出かけ夕方から撮影してきましたが、多くの住民たちが協力し準備をする姿に感動のようなものを覚えました。
「あっ、あそこのローソクが消えてますよ」と伝えると、「ありがとう」と返って来るやり取りの中にも「ふれあい」を感じたものです。
今年は至る所で路肩に灯りを多く配し、お客人が安心して歩けるようにした心配りが印象的でした。
こんな些細なところにも「おもてなしの心」は現れているんですね。