この記事の公開日:2023.06.30
▲温暖な気候と長い日照時間に恵まれた、田園都市:高知県安芸市。田園地帯の真ん中では、夏になると一面に黄色い「ヒマワリ」がらんまんとなる。道を挟んだ隣には、白と黒の建物に映える櫓時計の光景を目にすることが出来る。
▲櫓時計は個人宅に設置され、その昔周辺で農作業をする人々に時を告げていた。(※詳細は後述) 今回は、心和む光景(ヒマワリ畑)を一年間にわたり切り取った貴重な記録をご覧ください。(撮影:2022.7~2023.6)
▲まず、これは昨年11月に訪れた際の光景。遅咲きのヒマワリが一面に広がっていたことに驚いた。(※但し、咲いていたのは夏の半分のエリア)
▲そして一ヵ月半後。年末ともなると、さすがにヒマワリなどの花類は咲いていなかった。写真からも、空気が随分乾燥している様子が伺える。
▲さらに五ヵ月後。今年のG.Wが明けた頃の光景。大分暖かくなってきたことが写真からも分かる。それにしても、写真ひとつで乾燥状態の違いが分かるから自然は不思議だ。
▲先ほどの撮影日から、さらに一ヵ月半後。既に種蒔きを終えヒマワリが育ち始めていた。
▲その田んぼの一角に、何故か(ひっそりと)ヒマワリが咲いていた。
▲そして、間もなく(7月中旬)ヒマワリ畑は見頃を迎える。(※開花時期は年度により異なります)
▲すぐ東側には無料駐車場が完備されているので、車で訪れても安心‼ 駐車場の一角には前回のブログ記事:初夏の岬めぐり(大山岬辺り)内で紹介した弘田龍太郎の曲碑が建立されている。
▲位置関係はご覧の通り、近過ぎる(笑)。以前に紹介したブログ記事:映画のセットにいるような光景①土居廓中に行く場合の駐車場もここを利用した。
そして 花はらんまんに…
▲田園の中に2万本のヒマワリが咲き誇る光景は、この町の夏の風物詩となっている。
▲太陽の動きに応じて花の向きを変えることから「向日葵」とも書くヒマワリ。その花言葉は「あなただけを見つめる」「憧れ」等…。写真を見て改めて納得‼
▲民家の近くに位置しながらも、辺りで人工的なノイズが聴こえることはほぼ皆無だ。蝉の声がBGMという長閑なシーンは「贅沢な時間を過ごすのにはもってこい」だった。
▲日常生活エリアの中に「青い空・白い雲・黒い時計台・黄色い花・緑黄色の葉と茎」がコントラストを描く光景は「見事」としか言い表せない‼ (※個人の感想です)
もう一つのシンボル 野良時計
▲この町のもう一つのシンボルとなっている野良時計。1887年(M20)に、当時地主だった畠中源馬が独りで手作りし完成させた、一週間巻の分銅式 重錘式 時計である。元々は「畠中の櫓時計」と呼んでいたが、1975年のTV番組「行く年来る年」で「野良時計」と紹介したことでその呼び名が変わった。
▲まだ各家庭に時計がない時代、農作業をする人々に時刻を知らせるのにとても役立っていた。なお、時を告げる音は4km四方に鳴り響いたそうである。現代でいう、防災情報等を伝える有線放送の役割を果たしていた⁉ ちなみに1996年(H8)には、県内初の国の登録有形文化財に指定されている。
▲ご覧のように、時計は北側(正面)・東側・西側の3面に設けられている。ただ、畠中源馬の孫が2004年に亡くなったため管理者がいなくなり、時計としての役目を終えた。(※個人住居の一部なので内部の一般公開はされていない)
お客人のお目当ては ヒマワリ? それとも野良時計?
▲結局、この一年間で撮影のため高知市から(1時間かけて)訪れたのは十数回となった。
▲その結果分かったことだが、ヒマワリが咲き誇るシーズンやシーズンOFFに関わらず、お客人たちの姿が絶えていなかったということ。
▲かといって人でごった返すわけでもなく、各々がそれなりに長閑な時間を楽しんでいた。もちろんOIRAにとっても「あきは穏やか」の一言に尽きるのでした。
シーズンOFFでも 花は咲く…
▲これ見よがしではなく、時にひっそりと咲く花の姿は、そこに咲いている姿を目にするだけで心が華やぐ。
▲花も時計台も、いつでも互いを引き立たせながら見事な空間を創り上げている。まるで、人々に人生の在り方を教えてくれているように感じたのは、何故だろう⁉
▲ただしそんな光景も、ほったらかしでは成し得ない。ここでも影でメンテナンスに携わる人たちの努力があってこそ。主役が輝き続けるためには、影に徹する裏方の力が不可欠だということを忘れてはいけないと感じた一コマだった。
▲ヒマワリの種は毎年5月下旬、住民(大人から子ども)たちの手で植えられ続けられている。ちなみに種蒔きには80人余りが観光客の目を楽しませようと手弁当で参加したそうだ。(※今年はこの撮影の一週間後に種蒔きが行われた)
野良時計のモニュメントが 欄干に…
▲野良時計とヒマワリ畑の近辺(東側)には安芸川(源~河口は30km)が流れている。その欄干には、野良時計のモニュメントが施されている。
▲野良時計やヒマワリ畑の撮影と同様、このスポットには(この一年間で)十数回訪れたが、生活道の一部になっているからなのか、誰ひとり立ち止まって眺める人には出会わなかった。
▲この小さなモニュメントの時計台を目にして「何故もっとお客人たちに知らさないのだろう?」という疑問が率直な印象だった。そんな思いを抱きながら、この地を後にした。
コメント
よく暑中見舞いの文面に「梅雨に降って土用に照り・・・」などという挨拶が見受けられたもんやがナガセも佳境に入ってもう十分降ったと思うきにそろそろ梅雨明け時期の話なんぞが聞きたいねえ
青空が恋しい時期に「なつのあき」の表題は土佐ならではの組み合わせでバッチリやね
のどかな農村風景に咲きほこるヒマワリと抜けるような青空
夏空といえばヒマワリが通り相場やがヒマワリは11月までも咲くもんなんやね
長い間咲かすということは種まき時期をずらして世話するんよねえ
手間ひまかけて咲きほこるヒマワリと夏空!待ちかねるねえ
春よ来い!の次は晴れ渡る夏よ来い!早く来い!やね
安芸市の野良時計は元々櫓時計というんやねえ
初めて知ったわ
ずっと野良時計としか言わず聞かず仕舞いやったきねえ
遅まきながら一つ知識が増えて冥土の土産がまたひとつできたわ
今は常時動かせなくなったとのことやけど創建当時から長い間周辺一里四方あたりまで時の知らせが届いていたとは凄い!
まっこと長いことお役目ご苦労さまやったよねえ
野良時計を個人が手作りしたとはなおスゴイ!
よくそのカラクリを理解し造ろうとしたもんやわ
畠山源馬さん明治の人やけど幕藩時代の生まれの人じゃろうねえ
言うてすまんが江戸時代でも御維新後でも土佐は地方も地方
その土佐でも安芸はまた地方(こりゃ失礼!)
その地に知識希求力理解探求力実行力など旺盛な市井の人が居たことはこじゃんと郷土の誇りに足ることやわ
牧野博士だけじゃないよぉ~
コメントをありがとうございます。
まだ、TV等では梅雨明けの時期については触れられていませんね。
せめて、ヒマワリと時計台のコラボ写真を見て、
間もなく訪れるその時期に思いをはせていただければ
少しは気分が晴れるのではないかと取り上げてみました。
ところで、「櫓時計」という呼び名が「野良時計」に変わったエピソードは、私も今回初めて知りました。
マスコミの力恐るべし!
でも「野良時計」の方が味わいがあり、私は好きです。
地方にいながら、隠れた偉業を成し遂げた
名もなき(全国的には無名な)人々がたくさんいることでしょう。
今後何処まで迫れるか分かりませんが、
これからも「地上の星」と呼ぶに相応しい人物に触れていきたいと考えています。
何故なら、寄り身近な方の方がより輝いて眩しく、
行くべき道を照らしてくれるからです。