この記事の公開日:2024.06.10
▲日本最後のローカル新線「ごめん・なはり線」をオープンデッキ車両で巡るプチ旅の第五弾…
▲列車はトンネルを抜けた後、(プチ旅の)ルート最大の町「安芸市」の町中を駆け抜けて行きます。
周辺には 見所いっぱいの 球場前駅
▲町中とはいえ、海の近くにある「球場前駅」は、海抜16mの位置に設けられている。
▲そのためプラットホームからの眺めは最高で、開放感が半端ない。
▲駅の最大の特長は、隣に野球場が設けられていること。そう、全国の野球ファンに名の知れた別名「タイガース球場」である。ちなみに、安芸市は別名「タイガース タウン」とも呼ばれている。なお、駅のキャラクターは「球場 ボール君」だが…
▲安芸球場には、元々別のキャラクターが存在しているのでお間違いなく…
駅北隣にある 虎ファンの聖地 タイガース球場
▲安芸市と阪神タイガース球団との付き合いは古く、1965年(S40)からキャンプが始まった。以来、現在でも町を挙げて球団の活躍を応援していることはあまりにも有名な話だ。なお「安芸市」といえば、現在でも全国の熱狂的な虎ファンの聖地となっている。
▲現在は、同球団の(主に)若虎たちのキャンプ地である球場。グラウンド(公園)への上り口に植栽された河津桜は「早咲き日本一」を誇り、やがて「一軍での活躍」を夢見る若虎たちを優しく見守っている。(※片道1分)
駅南側辺りにも 有名な見所が…
▲「駅」の海側にも様々な見所がある。
▲まずは、安芸市出身の童謡作曲家「弘田龍太郎」を称えて設けられた、カリヨン時計がある「カリヨン広場」(※片道2分)。(※詳しくはこちらから)
▲さらに「カリヨン広場」の南側には、どでかい黄色い看板が防波堤に埋め込まれた「安芸漁港」がある。(※片道3分)「日本一高い防波堤・海面より16.0m」と記されている。台風時に全国ニュースで報じられるのが、防波堤後方にある灯台を高波が越えるシーンである。
▲その「安芸漁港」の西端にあるのが、旅番組でもよく取り上げられる「安芸しらす食堂」だ。(※片道15分) ちなみに、安芸市の漁港では漁獲量の8割がシラスとなっている。市内の各飲食店では、そのシラスを使った料理を「ご当地グルメ」として提供している。
▲アツアツの「ご飯」と「釜あげちりめん」に「かき揚げ」をトッピング。地元特産の「柚の酢」をたっぷり使った「タレ」をかけて食べた。(美味過ぎる…)
住民の声から生まれた あき総合病院前駅
▲「球場前駅」から僅か1分で着くのが「あき総合病院前駅」(海抜15.1m)である。
▲元々、この駅の北側には県東部地域の中核病院となる「県立あき総合病院」があったが「駅」はなかったのだ。そこで地域住民の利便性を考え、2021年に新設された。
▲駅のキャラクターは「あき ナースちゃん」。なお、新設時にはやなせたかし氏は既に亡くなっていた(※2013年没)ため、デザインは「やなせスタジオ」が担当した。
陸の玄関 町のど真ん中 便利な安芸駅
▲町の中心部にありながら、南国情緒を醸し出しているのが「安芸駅」である。「ごめん・なはり線」の中心となる駅で、唯一「有人駅」となっている。(※JR四国と併用の後免駅を除く)
▲駅のキャラクターは「あき うたこちゃん」である。人々の目線の位置という珍しい設置のされ方をしている。右下はお雛様仕様をしており、「衣装が変わる」珍しい仕様のキャラクターとなっている。ちなみにキャラクターは、安芸市出身の童謡作曲家:弘田龍太郎にちなんで設定された。
▲(デッキを含む)車窓からの景色が売りの「ごめん・なはり線」は、窓ガラスが汚れていると命取り。そこで「安芸駅」には自動洗車機が導入されている。なお、車輛の夜間滞泊はこの駅で行われている。
これまでご紹介した見所はたくさん…
▲安芸市には、弘田龍太郎作曲の「童謡という遺産」を大切にする趣旨で設けられた「曲碑」が10ヵ所ある。駅から15分以内で「歩いて行ける」スポットから「行けない」スポットまで幾つかをご紹介。
▲例えば、安芸駅構内(※片道1分弱)には「靴が鳴る」…
▲安芸観光情報センター(※片道6分)には「靴が鳴る」「雀の学校」他…
▲江ノ川上公園(※片道9分)には「金魚のひるね」…
▲内原野公園には「咲いた桜に」…
▲岩崎彌太郎生家には「春よ来い」…等々。(※弘田龍太郎と曲碑の詳細はこちらから)
▲他の見所として、駅の周辺には「野良時計」や…
▲県内にある「伝統的建造物群保存地区」2ヵ所の内のひとつで、国交省の「日本風景街道」にも選定されている「土居廓中」等がある。ちなみに「野良時計」から「土居廓中」へは、歩いて5分の距離となっている。
次回は…
▲列車は「安芸駅」を後に、やがて高架を下り平地を走りながら郊外の伊尾木駅へと向かう。
▲「伊尾木駅」近辺には、この路線にある「10の踏切」のうち9つが集中している。また駅周辺には、国民的人気の「寅さん」の石像と、あの朝ドラの冒頭に登場した「伊尾木洞」が待っている…。
コメント
ごめん・なはり線は高架や高い堤・山裾高く走る軌道であったりして眺めのいいことはこのシリーズでよく判ったけど安芸の球場前駅からの海を望める眺めの晴れやかさは一段と開放感がありいかにも南国土佐という風情やね
安芸市といえば音に轟くタイガースタウンやけどもう60年ほど前からキャンプが始まって三世代以上にお馴染みという勘定になるんやねえ
タイガースは長い間にはダメ虎といわれた時代もあったけどまあ判官びいきというか高知では昔から根強い人気があったよねえ
かつて老生のいた職場にも阪神タイガース一点張りのファンがどっさりいたよ
老拙の世代は世に言う巨人大鵬玉子焼きの部類やったからトラ押し一本やりの先輩同僚たちはなんとなく苦手だったなあ
安芸漁港の防波堤の何と高いことねえ
16mの高さがある堤は下から見上げたらまるで山よねえ
見上げるに首がだれそうな高さの堤防が安芸漁港の名物とは高知の海が荒れたら恐ろしい
山なす波が堤防を越えるシーンは想像するだけで身がすくみそうな場面やろうねえ
くわばらくわばら
ご当地グルメのシラス丼は垂涎物やねえ
釜あげチリメンにかき揚げの組み合わせは秀逸やわ
安芸市は以前のブログで見所が多く紹介されちゅう町やけどなかでも老生は弘田龍太郎押しながよ
懐かしいええ曲がおいもんじゃきねえ
まあかしこも楽しここもよし見て行けここも一日はという土地柄やわ
旅はいよいよ大詰めの中芸へさしかかるかねえ
海山川の景色が楽しみやわ
コメントをありがとうございます。
「安芸市」は歴史上からみても「ひがしこうち」を語るうえで、重要な町として位置付けられます。
そして「安芸駅」を中心とした周辺には、一日がかりでも回り切れないほど多くの見所があります。
「都市(町)」としての機能と、「海・山・まち」などの「風景」が共存する珍しい地方都市です。
以前、あるSNS上で「県外在住で、安芸市に初めて訪れたいが見所は?」という質問を目にしました。
それに対し、「高知市に住んでいると安芸市は田舎で何もないし、自分はほとんど気に留めたことはない」という旨の回答があったのを覚えています。
高知市内から、車で約1時間で行ける距離の安芸市。
そして交通環境の整備が進み、日々変化している「安芸市」。
実際、取材を始めた当初(3年前)から変化したものも少なくありません。
例えば…
(1)「安芸駅」前に設置されている「弘田龍太郎」の説明パネルがリニューアルされました。
(2)「球場前駅」側にあった自販機の一部が撤去されました。
(3)近い将来「安芸西I.C.(仮称)」となる「安芸しらす食堂」の北側は、地形が大きく変わりつつあります。
(4)「奈半利町」まで延伸する自動車道工事に伴い、「安芸川」には橋桁が姿を現しました。
(5)「岩崎彌太郎生家」すぐ近くの田園の中に、新しく「統合中学校」が設けられました。
等々…
取材で訪れるたび、今しか見られない姿を遺しておく必要性を感じています。