この記事の公開日:2023.05.04
▲高知県東部の中核都市:安芸市。そこにひとつの洞窟がある。それが、朝ドラ第一回目の冒頭シーンに登場した洞窟:伊尾木洞である。
▲このエリアは大きく分けると、①洞窟・②洞窟の先:シダ等が群生するエリア・③さらに奥:様々な植物が群生するエリアとなる。さらにさらに奥に進むと④滝を拝むことも出来る。
▲高さ5m・幅3~4m・奥行40m(延長100m)の洞窟は、かつて海底にあり地震の度に隆起を繰り返しその後姿を現した。今回は①~③を探訪してみよう。
▲洞窟は、国道から一本道(路地)に沿って1分ほど北へ進んだ所(小高い山の袂)にある。
▲国道をまたいで南北に、専用(無料)駐車場が設けられているので車で訪ねて来ても安心だ。左の旧駐車には15台、整備中の新駐車場には40台が停められる。(※概算)
▲但し、国道北側の新駐車場は整備中なので、G.W(2023年)限定で特別に解放されているもの。観光協会の方に伺うと「完成間近なので間もなく正式に使用出来るようになる」とのこと。(撮影:2023.5.1)
海底だったことを表す奇岩と そこに生育するシダたち
▲渓谷から流れ出した水は、通常時には足を浸すくらいの量だが雨の日や雨上がり時には、かなり増水するので長靴が必須となる。(※壁面には県下で2ヵ所しか自生していないホウライシダが群生している)
▲この洞窟は、310万年前の地層が地震の度隆起し、波により砂利が打ち寄せることで削られて出来た海食洞と呼ばれるもの。
▲コウモリの巣穴だろうか!? 天井を見上げると目に飛び込んできた。
▲向かって左に見える多数のコブは、化石や砂粒等を核としたコンクリ―ションと呼ばれるもので、分かりやすく言うと、天然のコンクリートのようなもの。なお中央の白い岩石は、誰かがハメ込んだものか否か、正体は分からなかった。
▲人物との対比で、洞窟内外の高さ(スケール)がお分かりいただけるだろうか!?
▲洞窟の目先には、40種類以上のシダが群生している。全て国の天然記念物に指定されているので、もちろん採集はダメ‼
▲実は、多くの種類のシダが一ヵ所に生息するのは大変珍しいのである。洞窟の湿気と適度な光線の量さらには岩石が多い崖状の地形等が重なり合うことが、シダの生育条件を満たした。そのため、このような光景が生まれた。
▲洞窟出口と、見上げた光景が上記2枚のカット。暗くもなく、明る過ぎることもない。
さらに奥に進むと 多様な植物たちが…
▲これらは、ここで生育する植物のうちの数種類ではあるが、その多様な植物たちが生育する逞しさには驚くばかりである。
▲滝までの距離の半分地点まで辿り着いた。この先へも進みたかったが、足元はさらに険しくなるため長靴等の装備が必須で、スニーカーは危険。考えが及ばなかったことを反省‼
▲というわけで、この地点で折り返すことにした。
ドラマ効果で お客人がいっぱい‼
▲このスポットへ2年前~昨年末までに2回訪れていた。その滞在中には、他のお客人たちとすれ違うことはほとんどなかった。それが今回(2023年G.W始め)久し振りに訪れ目にした光景は、あまりにもお客人の数が多いことに驚いた。しかも、若者の姿がやけに目についた。「TV効果は凄い‼」
▲駐車場や入場が全て無料で、かつ国道から100mしか離れていないという条件は、誰もが気軽に訪れやすいのではないだろうか!? ここは「植物にあまり興味がない」という方にもお薦めのスポットである。また洞窟内は、気温が20℃前後で安定しているので、これから夏にかけて特に心地よいだろう。
TVクルーの足元に ご注目‼
▲探訪を終えて帰ろうとしたら、某国営放送の朝の情報番組のスタッフたちに出会った。それぞれの足元にもご注目‼ スタッフたちは長靴を履いているので、きっと奥の方まで探索していくのだろう。洞窟から出てきた若者たちは軽装だが、洞窟出口(反対側)辺りまでならこれはこれでよいのかもしれない!? (※長靴は旧:駐車場の一角にある観光案内所にて無料貸出している) → ※ご覧の模様は、2023.5.18にON AIRされました。
コメント
伊尾木洞は地殻変動など地球規模の息吹の一端を目の当たりにでき訪れやすい場所でもっと人気があってもよかったのにどこか知る人ぞ知るというような存在感じゃなかった?
朝ドラの御利益で観光見物の目的地になってきた感がありだしたようで結構やね
冒頭の画像は人を引きつける景色やね!
鬱蒼とした山奥にあるような洞窟が明るい海岸沿い近くの国道脇で手軽に無料で見に行けるとはビックリよねえ
土佐は降雨量が多いところやから野山の日陰地などにシダが生えているのはよく目にしてきたけど40種類以上ものシダの群生があり天然記念物とは伊尾木洞スゴイね!
老生は今だにシダの新芽とワラビの新芽の区別がつかなくてね
子供のころ春になるとイタドリを採りに山野へよく行ったもんやがたまに山道脇などに自生しているワラビを見つけたと思って採って帰って婆さんに見せると大概は「それはシダよね」と鑑定されてガックリしたもんよ
春になると思い出すやさしかった婆さんとの懐かしいひとコマやわ
伊尾木洞は、観光ガイド類の安芸市枠内ではレギュラーで紹介されていますが、実際には仰るように「知る人ぞ知る」という位置づけでした。
それが、朝ドラ第一回の冒頭で紹介され、全国の方たちが知ることになりました。
全国に洞窟は数々あれど、「一般住宅地の側にある洞窟」と言うのは珍しいのではないでしょうか。
ということは、アクセスが抜群ということ。
そして「入洞するのが無料」と言う点は非常に高得点ですね。
此処だけで見られる貴重な植物も多く自生しています。
国道沿いに位置し駐車場も完備なので、県東部への観光の際にも気軽に立ち寄っていただきたいものです。