この記事の公開日:2023.09.01
▲9月1日は防災の日である。この日は、関東大震災(1923)が発生した日であり、暦の上で二百十日にあたる。そこで1960年の閣議で9月1日を防災の日とすることが決まった。
▲誰もが一度は「天災は忘れた頃にやってくる」という警句を耳にしたことがあるだろう。これは、物理学者であり防災学者だった:寺田寅彦(1978-1935/高知県出身)の言葉である。
▲近年、水害や地震が全国で発生している。そこで、この機会に水害と防災について考えてみよう。(※記事内に災害シーンは登場しませんが、水害を連想させる画像が複数登場します)
まずは 台風と大雨のケースから…
▲穏やかな光景が広がる県東部の海岸線。2023年8月の半ば、その美しい光景が一変した。
▲高知県に台風6号が最接近し海が大荒れとなった。(※本記事に登場する台風時のカットは、撮影地点が安全であることを確認後、さらに安全に配慮しながら行っています)
▲台風の上陸有無に関わらず、海はいち早くその影響を受けてしまう。
▲このカットの撮影時は強風のみだったが、この後大雨に見舞われることになる。
▲突如「まとまった雨」が天から地へ…。車は目の前にあるのに、走っても行けない。
▲一向に止みそうにないので、海辺ではなく公園内で撮影を続行することに。傘は持っていたが、ほとんど役立たなかった。
▲帰路中に車載カメラで自動撮影したのがこれら。実はこのとき大雨や強風より怖かったのが、このような状況下でもスピードを上げて走り去ったり、信号無視して去る車輛だったとは皮肉だ。
▲自宅(高知市)に着き、近くを流れる国分川(※ブログ記事で紹介済み)の水位を確認に。何故なら、人生で台風による水害に2度見舞われた経験をしているからだ。特に大惨事だったのが1998.9に発生した高知大水害。(※被災後の片付けの際一番欲しかった(便利な)のは、新聞紙の束と大きなゴミ袋だった)
▲災害は全国放送で報じられることはなく、当時の高知県知事(H.D氏)が全国放送でマスコミの報道姿勢に苦言を呈した。以降、地方の被災状況が頻繁に報じられるようになったと記憶している。
▲2023年8月に西日本へ被害をもたらした台風6号のように、国内での自然災害の大きな要因のひとつは台風である。そしてもう一つ厄介なのが、具体的な発生時期が予測出来ない地震である。
地震と津波発生との関係とは…
▲2023年9月1日は、関東大震災から100年目にあたる。当時の津波の高さは最大12m、到達時間は速いところで5分、その後も数分毎に2~3mの津波が繰り返し襲ってきたそうだ(※いずれも観測地点により異なる)。現代社会で津波となった場合の影響…あの2011.3.11の事実を教訓としなければ…。
地震による津波について…
▲高知県内の道路を走っていると、至る所でこのような「津波や浸水」に関する表示板を目にする。海岸線が700kmにも及ぶ高知県では、津波に対する対策が重要課題となっている。なお高知県には、全国の津波避難タワーの1/5以上となる120基が設置されている(※2022年末現在)。
▲高いビルが少ない郡部で(山など)高所への避難が困難な場合、緊急避難場所となるのが「津波避難タワー」なのだ。
▲近い将来、必ず発生するといわれている南海トラフ巨大地震と大津波。それは今日か明日、いや一週間後か一年後、あるいは10年後かもしれない。今回は、イザ‼と言うとき命を守る津波避難タワーについて、香南市夜須町にあるヤ・シィパークを例にご紹介します。
ヤ・シィパークとは…
▲ヤ・シィパークは、高知県東部にある風光明媚な海岸線の一角にある。近隣には、既にブログ記事で紹介した「絵金の町:赤岡」や「手結港可動橋」「琴ヶ浜」などがある。
▲「ごめん・なはり線」の夜須駅前に位置するヤ・シィパークには、その名の由来となったヤシの木が数多く植樹され南国情緒を醸し出している。
▲R状に530m続く「ボードウォーク(木板製の歩道)が設けられ、海辺を歩きやすくなっている。
▲また西エリアには、BBQが楽しめるピクニックサイトや個性的な子ども広場が整備されている。
▲ここは県内外から(多い時には)一日2,000人が訪れる、県東部の人気スポットとなっている。
ヤ・シィパークの 津波避難タワーとは…
▲「津波避難タワー」とは、浸水想定区域内にあり津波避難を目的とする工作物のこと。
▲柱と梁で構成された鉄骨造で、上部には避難スペースを有しており…
▲上るための階段やスロープも有するものをいう。ちなみに1F~2Fに壁がないのは、漂流物や水の抵抗からタワーを守るためである。
▲この地域は15mの浸水が予想されており「南海トラフ巨大地震」発生時には、津波が10分~20分前後で到達するといわれている。
▲ちなみに、ヤ・シィパーク津波避難タワーの詳細はご覧の通りである。
▲タワーの避難位置が高い位置となるため、どうしても海風に吹き曝し状態となる。そこで避難時に、防風シートを留めるためのリングが至る所に設けられている。
▲ところで、これまでヤ・シィパーク津波避難タワーのビジュアルを数カットご紹介してきたが、その形状や色彩に特徴があることにお気づきだろうか!?
▲一般的な津波避難タワーは設置スペース(土地)を有効活用するため(無彩色の)四角形であり、通常時はタワー内部へ入ることが出来ないという特徴がある。
▲しかしこのタワーは海水浴が出来る公園の一角にある。そこで、景観に配慮した「R型の形状」と「空・海・波」をイメージした色が採用されている。
▲さらには、このタワーへは通常時も自由に立ち入る(上る)ことが出来るのだ。これは、津波避難タワーに親しんでもらい、緊急時にはためらうことなく駆け上がれるようにしているためである。ゆえに日頃は、景観を活かした展望塔として活用されている。
海が荒れ狂うと こんな感じに…
▲日頃は穏やかな顔つきが…
▲このように‼ これは台風6号が最接近した頃の海(海水浴場)の様子だが、地震による津波となるとこの比ではないことは明らか。
▲海辺の撮影後、風は一層激しくなり雨も降り出した。この後、先に紹介した大雨のシーンに出くわしたのだった。
数日後 実際に地震が発生した
▲改めて述べると…このタワーの場合、避難位置は3Fと4Fである。なぜなら、浸水想定位置が2F(階段途中)の大人の腰のあたりと予想されているためだ。
▲実は、これら夜間シーンの撮影は2022.12.25であるのだが…撮影の4日後(午前1時47分)に、高知県東部を震源とする地震が発生した。そして、この地では震度3の揺れを観測したのだった。
例えば 避難時にはこんなものを…
▲これは緊急避難用Bagで、基本一式をネットで購入した。両手が塞がらないリュック式かつ手持ち移動時のためのキャスター付き。なおハンドル部分は、伸縮可のハイブリッド式となっている。
▲中身は基本品(セット)に、100円ショップで購入したGoods類を追加している。さらに別のリュックには「モバイルバッテリー(+ケーブル)・ハサミ・カッター・筆記用具・通帳・身分証明書・救急絆創膏・除菌シート・ライター」などを入れており、定期的に内容物の見直しもしている。
▲ということで、数日前に買い足しを行った。全て100円ショップで購入したものである。なお、いずれのセット(Bagの中身)もマイカーで逃げられない時や避難所へも避難出来ない場合を想定しているが、まだ幸いにもこれまで避難生活の経験はない。さて、あなたならどうする!?
コメント
もの心ついた時分に関東大震災のことを知ったときは発生から四十年近く経っていた勘定になる老生
関東大震災は大正時代の末に起きてそののちは世は軍部の内乱や外地での戦乱続きで終戦を迎えてと目まぐるしく動いていた最中に南海地震が発生したのよねえ
その南海地震が戦後生まれの老生には生々しい地震の話であってどこかあの大災害であった関東大震災なのに一世代も二世代も前の遙か昔の出来事という感じやったかなあ
戦後の南海地震のとき老生の母親はまだ所帯を持っておらず生家で地震に遭ったらしく近所の女性陣が近くの竹藪に逃げ込んだというような話を母から聞いた覚えがあるなあ
被災の様子などをいろいろ聞いたはずやけど幸い自宅周辺では大事にはならなかったようで今となっては事細かなところはうろ覚えで記憶の彼方にボンヤリとという有り様やわ
巷間怖いものの通り相場として地震⚡︎雷火事親父と言い伝えられてきてるよねえ
オヤジの怖さは近年とみに影が薄くなってきているけど地震は格別
今でも怖いものの筆頭株よねえ
いつ来るか分からんもんはまっこと怖い!
四国でも定期的に襲われてきた南海地震の中でも先の終戦直後のものは歴代でも弱い部類で次の地震は最大級が見込まれるなどと警鐘を鳴らされてきよらあねえ
くわばらクワバラ!
備えあれば憂いなしというわけで近年高知の海辺地区には津波避難タワーが設置されてきて心強いねえ
それぞれ意匠をこらした造りになっており頼もしいやか
見てくれ体裁を言いゆう場合じゃないしね
景観は多少犠牲にしてでも風袋がかかってもキットいざという時には役に立つもんやき海際に集落が多い高知にはあちこちにこれでもかというばあ設置して行ってもらいたいねえ
そこへもってきて土佐の高知とくれば夏から秋にかけては台風が常連で風水害に身構えないかんしねえ
近ごろはよさこい祭りや気候風土なんかを気に入ってくれた県外移住者がおると仄聞して奇特な人士がいることと高知を離れた老生は有り難いことよと感じるけど高知はほんまにええとこかぁ住みよいかぁ?
折角の御贔屓が徒にならんことを切に願うばかりやわ
今回のブログ氏の災害避難時用の非常持出バックの披瀝は実物・具体例が映像で見られ波及効果が期待できるろうし良い参考となったねえ
折しも今日9月1日は二百十日で防災の日
皆さん日々御安全に!
早速ご覧いただきありがとうございます。
近い将来必ず発生するといわれている南海大地震に向かって、既にカウントダウンが始まっています。
それに伴って、前回の南海大地震をリアルタイムで経験した人の数は少なくなっています。
そんな中で、未経験の私たちに出来ることとは果たして何なのか?
「少なくとも、想定内の準備位はしておく必要があるのではないか」との思いから今回の記事を作成しました。
災害への「対策方法を知っている」のと「既に対策している」とは違いますよね。
それでも、イザその時になったら冷静に行動できるか否か、運命の分かれ道は果たして…。