この記事の公開日:2023.12.20
▲2023年に高知県内を訪れた皆さんは色んな牧野博士の姿に遭遇したことでしょう。そして、本サイトのブログでも様々な関連記事をご紹介してきました。
▲TVドラマ終了後、今も牧野植物園を訪れる県外のお客人は絶えることなくブームは続いており、今回は牧野博士関連の各記事でお伝え出来なかった未公開ショットとエピソードで構成し、今年を振り返ります。
▲牧野博士に関連する3つのスポット(佐川町:生誕の町・高知市:牧野植物園・安芸市:伊尾木洞)に焦点を絞ってみました。(※記事の最後では、さらに詳しくご紹介)
博士と 植物採集の宝庫:日曜市
▲博士が植物採集に出かけた県内各地。特に高知市で開催される日曜市に対し「市は色んな物が出ているから植物採集ができて楽しい」と語っていた。(※パネルは許可を得て撮影・公開しています)
▲その市は高知城東側道路の片側2車線を通行止めにして毎週開催。300年以上の歴史があり、400店舗が1kmにわたり軒を並べ、食べ物・日用品・骨董品・植物の他、珍品の掘り出し物などが販売されている。
博士の世界観を再現した 牧野植物園(高知市)
▲園内マップを見てみると、施設や遊歩道が血管のように張り巡らされている。これは、五台山の地形を活かしながら園地拡張を続けているからだ。
▲博士像を初めて目にしたとき「何で、こんなに高い位置にあるの⁉」と思った。(※像は県内住民たちによる全額寄付で製作された。右手で持っているのはカラカサタケ)
▲「周囲の樹木たちに埋もれないよう、高い位置にいらっしゃるんですね、博士⁉」
▲「さすがに、この樹木群とこの位置から銅像は見えないだろう」と思っていたが、ちゃ~んと博士の頭部が見えている。
牧野植物園の バイカオウレン
▲博士が植物に興味を持つきっかけとなったバイカオウレン。植物園では葉をロゴマークに採用している。
▲定番の場所以外も探してみると、面白い気づきがあるかもしれない。
▲園内のバイカオウレンの開花は1月上旬から、間もなくだ‼ (※開花時期は年度により異なります)
▲園内でバイカオウレンの寄せ植え(鉢植え)を売っていた。決して、丼物の食べ物ではない。
バイカオウレンは 佐川町でも…
▲歴史的建造物の内部まで緻密に再現された模型を一同に展示してい佐川町地場産センター。(※入場無料)
▲ここには、博士縁の植物:梅花黄蓮という名の喫茶店が営業されている。
▲観光拠点のうえまち駅(※決して鉄道の駅ではない)。天井には地元在住のアーティストによる照明器具(バイカオウレンの花・果実を表現)が設けられ、お客人を出迎えている。
日本初‼ 和名の植物:ヤマトグサ
▲博士が22歳の時、日本人として初めて日本の植物の学名を発表した植物:ヤマトグサ。
▲TVドラマでもエピソードが取り上げられ全国区となったことは、ご存じの通り。しかし育成は難しいため、牧野植物園ではお客人たちの目に触れることなく栽培し、無事育成できた場合に限り期間限定でお披露目しているそうだ。
※一方、佐川町の牧野公園では、遊歩道脇にさりげなくヤマトグサなどが植栽されており、無事探し当てたときには「やったぁ~」感が湧いてきたのだった。
世の中のあらん限りや スエコ笹
▲前記のフレーズ(項目名)は、冒頭に紹介しているカットの歌碑に刻まれている博士の言葉である。スエコザサもTVドラマの終盤のエピソードで紹介され全国区となった。しかし、実際には妻:寿衛が亡くなった後に命名されている。
▲博士は植物分類学に私情を挟むことを好まなかった。国際規約でも、学名に人名を付ける場合「その植物の発見者・採集者・研究の援助者などに限る」としている。
▲しかし博士は「花を咲かせることなく目立たないように潜まりながら、一旦風が吹くと音をさせる笹は正に相応しい」と考え、名付けたそうである。壽衛が、立派に研究を援助した研究関係者という証しであろう。
一躍有名になった 伊尾木洞(安芸市)
▲伊尾木洞は朝ドラの冒頭で初登場した。国道55号線から僅か100mの住宅地の横に位置するという、珍しい立地条件を成している。
▲放映開始1ヵ月後に再訪してみた。大人に交じって、若者(自転車の子ども)たちが大勢訪れていたのがとても印象的だった。
▲偶然、朝ドラで一躍有名になった洞窟を紹介するため訪れた同局の撮影クルーとも遭遇。同行してみたかったが、足元の準備不足で断念。皆、長靴を履いているのがお分かりだろうか。(※詳細は国道沿いにある神秘の洞窟にて紹介済み)
▲洞窟のスケールがお分かりいただけるだろうか。何度も言うようだが、ここは住宅地の横隣に位置する洞窟なのである。
※牧野博士に関連するブログ記事は以下からでもご覧いただけます。
▶牧野富太郎の世界①:生まれ育った処 / 牧野富太郎の世界②:牧野公園 / 牧野富太郎の世界③:名教館と上町辺り / ▶五台山の準備が整いました②:大勢もOK牧野植物園 / ▶イマドキの光景:梅雨時の牧野植物園 / ▶伊尾木洞:国道沿いにある神秘の洞窟
そんなこんなで 2023年が暮れて行く
▲今春から綴り始めたブログ記事は全48本。2024年も独自の視点で高知の今を発信し続けていきます。ご覧の皆様、どうぞ良い新年をお迎えください。
コメント
今年の高知はやっぱり牧野博士の話で締めんと冥利がわるいよねえ
坂本龍馬記念館に掲示されているという
『牧野博士の高知県内主なゆかりの地』
の図版は要所を簡潔に表していて分かりやすくていいねえ
県内中央の高知市内の日曜市
海産物・野菜・果物・日用品・山菜のほか植木類なども出ている市やからねえ
牧野博士が植物採集ができて楽しいと日曜市を物色して歩いていたなんて初耳やったわ
なんとも微笑ましい採集活動やね
五台山の牧野植物園で販売しているという朝ドラの開始早々のエピソードで出てきたバイカオウレンの寄せ植えは「どんぶり物」にしか見えずクスッとなるねえ
五台山の植物園では育成の難しいヤマトグサが期間限定でしか鑑賞できないけれど佐川町の牧野公園では遊歩道脇で普通に植栽されて見られるとか
牧野博士の奥さんの名が付いたスエコザサの命名は渾身の経緯があったエピソードだったこと
地学的な価値の高さのわりには地味だった安芸市の伊尾木洞が朝ドラで一躍日の目を見たこと
などなど今年の高知の一押しの話題であったろう牧野博士関連の当ブログの未公開のショット・エピソードで本年の掉尾を飾ってくれてまた新たな知見が増えたわ
来年もどんな高知県内の紹介があるか楽しみにして年越しとしょうかねえ
記事内容の詳細をご覧いただき、そしていつも熱心なコメントをありがとうございます。
朝ドラで一躍有名になったバイカオウレンは、もし道端に咲いていたら気づかず踏んでしまいそうな位小さく可憐な花です。
その花は高知では、間もなく(一月中旬~下旬)に咲き始めます。
寒さの中で一所懸命に咲く小さい花を眺めていると、見る者に色んなエールを送っているように感じてしまいます。
「自然から教わる事って、本当に多いなぁ」と感じる一年でした。
新年もさらに色んな視点から、高知の今に触れていきたいと考えています。
これからも引き続きご覧いただけると嬉しいです。