布師田今昔物語③ 布師田小学校と御殿跡と保育園

この記事の公開日:2023.04.29

▲旧布師田ぬのしだ小学校は、地区の中央部(国分川沿い)に設けられていた。小学校跡はその昔、参勤交代の藩主が宿泊した布師田御殿があった場所。なお右奥に半分ほど見える白い建物は、高知市農協布師田支所(元は役場)跡。つまり、昔公的だった場所に近代の公的機関が置かれた。但し、現在小学校はすぐ近くの田園内に移転し、農協(役場)は統廃合の関係で廃止となり、建物だけが昔の名残を物語っているだけである。

▲昔の写真を基に、ほぼ同じアングルで撮影したのが左側フルカラーの写真。右側の(昔の)モノクロ写真自体もCG修整しているのだが、それをAIの力を借りてさらに着色してみた。

▲何とも趣がある光景となった。OIRAが生まれたのは1957年(S32)だが、この昔の写真の頃にはまだ生まれてはいないので、この姿形の小学校は知らない。

▲この写真を見ると上(北側)にプールがあるのが分かる。しかし、OIRAが通っていた頃はプールはなく、国分川が水浴び場だったため、この姿の小学校の頃OIRAは十分大人になっていた。ちなみに運動場の人文字の「又の小とはどういう意味ですか？」と、ふれあいセンターの担当者に尋ねると、これは「ヌノ小(布師田小)です」と言われた。あゝなるほどね…と納得。

▲OIRAが通っていた当時(昭和中頃)の全校生徒は100人あまり。10月に大運動会が催され、家族親戚が集まり大応援団を組むのが珍しくなく、核家族とは無縁の良き時代であった。左側写真は中央が、右写真は中央でスタンバイしているのがOIRAだ。(※大人の事情により、判別できる全ての顔に加工を施している)

布師田御殿跡

▲布師田小学校は、風格ある石垣が特徴だった。これは藩主が1830年代頃から参勤交代の際に宿泊した布師田御殿があった当時のものである。ちなみに、(中央の奥へと延びる)石垣の下には小川があった。今は全幅道路になっているが石垣の下部分辺りは現在でも、権兵衛井流の名残となる小川が流れている。

▲この地は度重なる台風被害に見舞われてきた。裏山の斜面崩壊の懸念から、ついに1982年場所を田園の中へ移転することになった。石垣はそのまま残ったが、止むを得ず2014年には改修されることに。

▲撤去された当時の石は、布師田御殿の石碑の台座や広場(運動場跡)のベンチとして再び命を吹き込まれた。ちなみに、写真左奥の建物は現在布師田ふれあいセンターになっているが、この場所に御殿が建っていた。参勤する際には、ここで正装から旅支度に着替え、交代(帰国)した際には、ここで衣装を整えて城下へと向かった。

布師田保育園

▲右手の建物が現在の布師田小学校、左端の赤い屋根の建物が現在の布師田保育園である。

▲現在では田園の中に建つ保育園は、すぐ近くの高台から1988年に移転してきた。撮影時には、田園の中で幼子たちの楽しそうな声が賑やかだった。

▲保育園が元々あった場所(跡地)。もちろんOIRAが通っていたのはこちら。今では周辺に民家が立ち並んでいるが、当時(1960年代)は何もなく見晴らし抜群だったのは言うまでもない。

▲この階段を上って保育園へ3～4年通ったので、見ているだけでノスタルジーを感じてしまう。まだOIRAが汚れなき頃の思い出の地である。

ところで こんな案は如何？

▲布師田には桜の名所と呼べる処がない。せっかく旧小学校跡地(布師田御殿跡)の南側が開けているので、(例えば)裏山の中腹からにかけて、滝が流れ落ちる桜を演出(植樹)するのはどうだろうか。実際にやってみるにはハードルが高いので、CG加工で植樹してみた。これなら遠目からもよく分かり御殿跡の名に相応しい名所となるのではないか？と考えるのはOIRAだけだろうか。(※本ページ最初のカットも参照)