

▲四国の右下に位置する室戸市。

▲かつて捕鯨で栄えた室戸。その歴史を後世へ伝える目的で開催されているのが「土佐室戸鯨舟競漕大会」です。

▲今夏には36回目を迎える「室戸の夏の風物詩」となっています。今回は、昨年7月下旬に開催された模様を紹介…と、その前に室戸と鯨との関わりについて触れておきましょう。

室戸の海岸線には ある特徴が…

▲室戸の海岸は、一般的な「波打ち際に細かな砂がある浜辺」はほとんどなく、山裾を走る道路から海岸へは即岩場という景色となっている。





▲そしてその海岸線全域50数kmは「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されている。

▲別名「台風銀座」と呼ばれてきた室戸の浜に点在する岩礁や奇岩などは、自然の消波ブロックの役目を果たしているのも特徴だ。

▲そんな室戸の海岸線において、唯一砂浜が広がっているのが鯨碆である。


▲町の中心にも近い立地だったこともあり…

▲捕獲した鯨をこの浜でさばいていた時代もあった。
捕鯨と町との 関わりとは…

▲室戸の沖は、かつて鯨が黒潮に乗り回遊する通り道となっていたため、昔から室戸は日本有数の捕鯨の町として栄えてきた。

▲その昔「鯨一頭獲れば、7つの町が潤う」といわれ、捕鯨は室戸の町に大きな富をもたらした。

▲しかし、IWC(国際捕鯨委員会)が商業捕鯨を原則禁止したことにより、1988年「室戸(※日本)捕鯨」の歴史は終わりを告げた。(※2019年に日本はIWCから脱退し、同年日本の200海里水域内での商業捕鯨を再開している)


▲写真中央の舟が(古式)捕鯨で活躍した勢子舟である。

▲鯨を追い込むため、速くて回転しやすいよう「船首が鋭く、船体は胴長」の形状になっている。
「土佐室戸鯨舟競漕大会」の開催は 大人の事情で…

▲その勢子舟を使ってタイムを競うレースが「鯨舟競漕大会」である。

▲だが2020年~2022年の間コロナ禍の影響で「大会」は中止、さらに2022年には主催団体の高齢化により実行委員会が解散された。

▲そんな中2023年には、「キラメッセ室戸鯨館」の名誉館長を務めた作家C・W・ニコル氏の「追悼記念大会」として一年限定で復活した。

▲その「大会」終了後には市民から多くの「存続の声」を受けたのだった。以降観光協会が運営を引き継ぎ、室戸市が経費のバックアップをする形で毎年開催されることになった。
会場は 広大な「港」であり「海の駅」


▲会場の室戸岬漁港(新港)には…

▲室戸ドルフィンセンター・飲食体験施設:室玄・スジ青のり養殖施設・DMV(鉄道とバスのハイブリッド車)の発着場などが共存する「海の駅:とろむ」が併設されている。

▲交通の便などの条件に恵まれたこの港(海の駅)は、年間を通じて様々な催しに活用されている。(※詳細は次回)

▲ところで、室戸市内には「四国八十八ヶ所」の札所が3ヵ所※ある。「海の駅とろむ」などは歩き遍路の人たちにとって貴重なオアシスともなっている。(※最御崎寺 / 津照寺 / 金剛頂寺)
さぁ、レースが始まる。景気づけに…

▲2025年7月26日「第35回土佐室戸鯨舟競漕大会」は、海と漁業文化をテーマにした創作太鼓集団:土佐室戸勇魚※太鼓による圧巻のパフォーマンスで口火を切った。(※勇魚とは=鯨のこと)


▲デビューから29年を誇る「土佐室戸勇魚※太鼓」による和太鼓の音色が広大な港に響き渡り、訪れた人々を魅了した。

▲「さぁ我々も負けずに、ファイト一発!」と言ったかどうかは定かでない。
まずは、レースの基本を知ろう

①出場者は老若男女不問だが、全員必ず救命胴衣を着用すること。
②動力は艪と櫂(※一般の部のみOKで、古式の部は不可)を用いた人力であること。
③2艘によるタイムレースで、最終的にタイム上位2チームによる決勝レースにて勝者を決定する。

▲年齢を重ねたお方も…

▲あまり年齢を重ねていない子らも…

▲土佐のはちきん⁉さんだって…

▲外国の方々も…みんな出場は「OK–OK‼」

▲ちなみに「艪=船尾などに支点を設けて取り付け水中で左右に振る」「櫂=水を後方へ押し出す」。いずれも推進力を得るため、手で持って水をかく棹状の道具である。

▲規則上「各鯨舟は、原則として定められた自己のコースを漕走するものとし、他のコースに進入し、他の鯨舟の進行を妨げてはならない」「 回頭は、右回頭(時計回り)を基本とする」と謳われている。

▲しかし出場者は素人ばかり。決してその通りに展開されるとは限らない…(実際には、このあとハプニングがてんこ盛り⁉)
何はともあれ やる気だけ⁉は 満ち溢れている


▲岩壁で声援を送ってくれる人々に「やる気満々のアピール」を…
いよいよ 展開予測不能⁉なレースが始まった


▲出場は前述の「土佐室戸勇魚太鼓」チームをはじめ、「市の職員労働組合・地元の企業・地元の高校生」など19チーム280人の面々。おっと、このチームはスタート後すでに明後日の方向を向いている⁉

▲こちらのチームは、東(室戸岬)ではなく北(山際の国道55号線)の方向へ…実はこの写真、コース分けのための牡蠣樽に乗り上げたチームが救助船に曳航してもらっている光景。

▲少し前の様子がこれ。見守るスタッフたちの後ろ姿が印象的だった。

▲こちらのケースでは、いずれのチームも問題発生のようで、救助船の御厄介になるチームと、もう一方のチーム(※写真右端)は…

▲フィニッシュラインを越えた後、上手く停まることが出来ずそのまま突き進み過ぎた。

▲その前方には子どもたちが水遊びしている姿があった。(※ハプニング続出のレースの模様は105 解体新書(公開…その後はどうなった⁉)でも紹介しています)
レースを終えて…


▲そんな中、自力でゴールした勝利チームには歓声が挙がっていた。

▲「バンザ~イ‼、やった~、どんなもんだい⁉」(※このチームは一般の部で優勝を飾った)

▲こちらは「バンザ~イ‼」ではなく、思いっきり「弾け跳んだ⁉」瞬間。


▲若いってイイナ⁉ OIRAには到底マネ出来ない。
力尽きた後には 食べるのがイチバン⁉

▲鯨肉の試食サービスは毎回大人気。

▲用意するのが先か、無くなるのが先か…

▲あっと言う間に残り僅かに。
暑い一日を 終えて…


▲表彰式が始まる頃敗退したチームはいなくなり、関係者だけのセレモニーとなってしまった。

▲だが若者たちはここでもエネルギッシュ‼ 弾けたエールが会場に響き渡っていた。

▲役目を終えた鯨舟は次の出番まで、ここ海の駅:とろむの片隅でゆっくり休養に入る。

▲間近にみると、鯨舟って結構迫力がある。刺さりそう⁉

▲ところで、この日どれだけかき氷を食べただろう⁉ それでもお腹の中は「チャポ・チャポ」しなかったから、どんだけ暑かったのか…

▲レース終了後「港」は、いつもの姿を取り戻して行った。

▲2026年の「土佐室戸鯨舟競漕大会」はこの港を会場にして間もなく(7月18日(土)10:00~)開催される予定である。
※鯨・捕鯨・鯨舟などに関する参考記事=038 おらんくの池にゃ 潮吹く魚が泳ぎより(室戸市) / 041 今年限りの復活! 鯨舟競漕大会(室戸市) / 105 解体新書(公開…その後はどうなった⁉)

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