この記事の公開日:2024.01.10
▲龍河洞への入口に位置し、野中兼山が行った灌漑事業で潤った高知県中央部に広がる香長平野。
▲その平野を一望できる美しい三宝山の麓に、全国で人気を博している動物園がある。
▲それが高知県立のいち動物公園である。SNS上の調査(※TripAdvisor)で2019・20の二年連続「動物園・水族館人気ランキング」で一位を獲得した。
▲しかし、この動物園には「客寄せパ○ダ」と呼べるような象やライオンなど、王道の動物はいない。にも関わらず何故全国の名だたる施設を抑え、一地方の動物園が顧客満足度一位を連続して獲得できたのか…。
▲今回は、その魅力の一端をご紹介します。(※人気の理由分析は、OIRA独自の視点によるものです。なお記事の画像は、2023年秋に撮影したものを中心に構成しています)
それは 絶景のロケーションの中にある
▲広さは東京ドーム3.5個分あり、山の形状を活かした造りとなっている。
▲ここでは、広大な土地の中で105種類・1,400匹の様々な動物たちが、檻や柵を極力少なくした野生に近い環境で暮らしている。その姿に人々は癒され魅了されているのかもしてない。
▲入園料は、ワンコインでお釣りがあるのも財布に優しく嬉しい(※高校生以下は無料)。
愉快な仲間たち…ダイジェスト
▲南米の暖かいところで暮らしているフンボルトペンギン。実はペンギンの多く(種類)は氷の上ではなく、土の上で暮らしているのをご存じ⁉。ここでは野生に近い形で飼育しているのだ。
▲好奇心がとても強く遊び好きなのがカワウソ。泳ぎに特化した流線型の体つきをしている。隣の水槽にはユーラシアカワウソ、コツメカワウソが棲んでいる。3種を同時に見られるのはここだけである(※取材時点)。
▲遊泳力を増すためにヒレ状に変化した手足を持っているアシカ。ここでは、土佐湾で獲れた新鮮なアジを主食として与えている。
▲サバンナを再現した広大な展示場で、グラントシマウマと一緒に暮らしているのはアミメキリン。画像後方の展望デッキでは定時の食事時に、間近で木の葉を食べる様子を観察することもできる。
▲家族連れだけでなく、若者(グループ)の姿が多いのに驚いた…
動かない!? いえ、動くんです (ハシビロコウ)
▲単独で生活する習性のハシビロコウ。動かない鳥として有名だが、動かないのは餌を獲る時というのをご存じだろうか⁉。
▲獲物が近づくまで辛抱強く待ち構え、射程距離に入ると強力なクチバシで一気に捕らえる。その光景から動かない鳥といわれるようになった。
▲ご覧のように、現実にはよく動くのである。
▲この日は特に、クチバシを「カタカタ」と鳴らすクラッタリングも見られ、お客人へ大サービス⁉。(※本記事冒頭のショットも参照)
動かない!? はい、何故か動かないんです (カピバラ)
▲TVCMなどでもよく登場する、世界最大のネズミの仲間であるカピバラ。
▲前足と後足共、指の間に小さい水かきがあり上手に泳ぐことがでる。5分程度なら水中に潜っていられる、が…
▲それにしても動かない。(撮影で)4回訪れた限りでいうと、ほぼ動かなかった。
水辺の土木技師:アメリカビーバー
▲偏平状の大きな尾と、後足の水掻きが特徴のアメリカビーバー。
▲水辺の立ち木を大きな前歯でかじり倒しビーバーダムをつくるなど、土木工事に勤しむ習性がある。
▲働き過ぎて「一休み、ひと休み⁉」
草食系男子‼、いえ女子も…プレーリードッグ
▲北アメリカの草原(プレーリー)に生息する(リスの仲間:草食)プレーリードッグ。敵が近づくと、子犬のようなかん高い声で鳴くので名付けられた。食事や見張りをする際、尻をついて座る仕草が特徴。
通常は見られない 見事な光景が…
▲毎年夏から秋にかけて、暑い日中をしばし忘れさせてくれる夜の動物公園「のいち de ナイト」という人気のイベントが開催されている。数年前ではあるが、車で動物公園へ向かったところ三宝山の入口近辺で渋滞に遭い、入園を諦めたことがあった。
▲そこで、今回(2023年9月中旬)には昼間から入園し、撮影しながらその時を待ったのだった。
▲待った甲斐はあった…
▲夕方には三宝山のシャトーがシルエットとなり、見事な光景を眼にすることができた。
あの巨匠も見たら きっと大喜び⁉
▲のいち動物公園のイベントに出演し、広報活動に努める正式マスコットキャラクターのひとつ“ベスト・ドレッサーパンダの“ダンディーダン” も登場し、子どもたちを楽しませていた。ちなみに、得意なことは「おしゃれ」とのこと。
▲なおキャラクターデザインは、高知県が全国に誇る漫画界の巨匠:やなせたかし氏の手によるもの。どうりで親しみやすい顔つきをしているわけだ…。
▲「みんな~ぁ、また来てねぇ」「また、来るからね」と挨拶を交わす“ダンディ ダン”と子どもたち。OIRAは皆より一足早く別れを告げて “のいち de ナイト” の余韻に浸りながら、秋の動物公園を後にした。
コメント
年明けは動物園
ごく穏やかでいいねえ
世情は何かと気を揉むことが多くともそれ一辺倒じゃ気ぶっせい
新春早々のブログからピリピリした雰囲気が漂っちゃあ無粋よねえ
のいち動物公園は三宝山のふもとの景観を活かし公園は広々として動物も入園者もストレスなく居られる処と見受けられたよ
客寄せパ⚪ダのたぐいはいないらしいねえ
でもペンギンの居住場所にあるかなり広い水遊び場でののびのび泳ぐ姿を見られるのは本来の野生生活をうかがい知れて目で追っていたら見飽きんやろうねえ
人気出るはずよ
今回のブログでたまげたのはハシビロコウ
めったに動かないということで世に知られた鳥じゃなかったっけ?
餌を獲るときだけは動かないが普段はけっこう動き飛びもする鳥なの?
聞いたことなかったよ
一世を風靡したコマーシャルのせいにするつもりはないけど動かない鳥として覚えてたよずっと
それにカピバラ
動かない?ええ?
これもたしか温泉の湯だかに浸かってるような絵柄のコマーシャルがあったような?
図体はデカいけどノソリと動きそうなイメージがあったけどなあ
あんまり動かないの?
怖い恐い!
ある一定の情報を頻繁に目にするといつの間にか特定の思い込みをする
ヤバイあぶねえ~!
安易な思い込みをしていると危ないアブナイ!
のどかな動物園の動物の何気ない仕草に先入観を元にした判断の危うさを教えられたねえ
動物に一本取られた気分やわ!
夏~秋の時期の夜の動物園見学はライトアップがあり高知県出身の漫画家
やなせたかしさん
デザインのキャラクターありでなかなかの人気らしいし動物園・水族館人気ランキングで1位を獲得したことがある
のいち動物公園
今後も家族連れで大いに賑わってもらいたいねえ
のいち動物公園の動物の立ち居振る舞いを見て人生先入観のクリーンアップを!
いつも具体的な感想をありがとうございます。
マスコミによる紹介の仕方は、どうしても視聴率を意識するあまり断片的となり、本来の生態を歪んで伝えがちになってしまいます。
また、コミュニケーション心理学の世界では「人は見たいものを見たいように見る、聴きたいものを聴きたいように聴く生き物」だといわれています。
よくよく考えると怖いですね。
ところで、本編では詳しく触れていませんが「のいち動物公園」は動物たちとの距離が近く、自然と一体化した「生態展示」に特化しています。
例えば「バイオーム展示」と呼ばれる生息地域の環境を再現した飼育方法や、
「環境エンリッチメント」という動物たちの本能を引き出す飼育環境の再現などが挙げられます。
温度や湿度などを調整し、スコールで熱帯雨林を再現した「ジャングルミュージアム」や、日本一広いサバンナ広場など…
山の地形を活かした造りの環境は素晴らしく、さらにはロケーションも抜群と一見の価値がある動物園、いえ動物公園です。
※これらについては、改めて別の機会にご紹介する予定です。
動物園というと、都会ではどうしても莫大な費用をかけた人工的な造りによる再現となってしまいます。
しかし、この動物公園の贅沢な環境は地方都市ならではですよね。
(安価な入場料も含め)訪れた人の心を癒すのに、超おススメの動物公園です。