
この記事の公開日:2026.09.10




▲南国市の津波避難タワー(※タワー)を巡り、減災の取り組みを紹介する4回シリーズの二回目。

▲前回、①命山構想と津波避難タワーで減災という取り組みを紹介しました。

▲市は命山がない津波浸水予想地域に、民家から徒歩5分以内で避難出来るようタワーを建設しています。

▲タワーは全て、イザというときパニックにならないよう「常時解放」されています。

▲今回は8つのタワーに隠された工夫や課題などを深掘りします。


まずは 地震の基本について



▲津波が見た目を遥かに上回るエネルギーを持っているのをご存じだろうか⁉ (※写真は津波による浸水)


▲日本の土地面積率は地球の土地面積の僅か0.3%だが、地震発生率は全世界の20%にも上る。

▲よく目にするのが「マグニチュード(※以降M)」と「震度」である。マグニチュードとは規模のことであり、地震毎の数値は一つである。(※M=数値に限度はないが、過去にM9.5を超える値は観測されていない)

▲一方の震度とは地震による揺れの強さのことを指す。その数値は、全国約4,400地点に設置された震度計毎に異なる。一般的に、震源地から遠距離※になると数値は小さくなる。(※例外有)

▲Mの値が1つ大きくなるとエネルギーは32倍に、Mの値が2つ大きくなると1,000倍の関係にある。例えば「M8(地震32個分)>M7」であり、「M8(地震1,000個分)>M6」となる。

▲日本の震度は「0・1・2・3・4・5弱・5強・6弱・6強・7」の10階級で表し、震度7より上の数値が発表されることはない。

▲気象庁が震度7を観測した地震は8回記録されている。(2026.9.9現在)

▲次の南海トラフ巨大地震が発生した際の規模は「M9.1・最大震度7」といわれ、揺れは3分間続くと見られている。

▲参考1:東日本大震災後に高知県下の津波避難タワーは126基となり、内15基が南国市に設置された。

▲参考2:高知龍馬空港ビルへは、津波が30~40分で到達すると見られている。

▲参考3:気象庁から「自分の命は自ら守る・自ら判断し避難行動をとる」との方針が今夏示された。
⑭下田村タワー のケース

▲津波避難タワーは海岸沿いだけでなく…

▲田園の中にも幾つか設置されている。

▶収容人数=265人/杭長=23.8m/津波到達予想時間=42分/予想浸水深=3.87m+α


⑬大湊小南タワー のケース


▶収容人数=361人/杭長=14.5m/津波到達予想時間=37分/予想浸水深=5.52m+α

▲タワー横には県内企業が製造した「小型津波避難(救難)シェルター」の見本が設置されている。

▲このシェルターは他所への避難が困難な場合に乗り込み、漂流物の衝突から⾝を守るための艇である。


▲タワー側のフェンスの一部は、いつでも避難出来るようめくれる仕掛けが…。



▲他にもタワーの周辺や…

▲小学校近くには掩体群があり…

▲日頃から平和学習と防災学習が体験できる教育環境となっている。

▲ところで、⑮SCタワーを除く市内のタワーにはある仕掛けがなされている(※正体は次の⑫で)
⑫久枝北タワー のケース


▶収容人数=131人/杭長=15.5m/津波到達予想時間=32分/予想浸水深=6.94m+α


▲高知龍馬空港に最も近いのが久枝北タワーだ。

▲ほとんどのタワーの1F:天井には蓋状のもの(A)が設置されている。これは、備蓄倉庫へ救援用備蓄品を持ち上げて搬入するための工夫である。(※使用時には蓋を開ける)

▲万一この仕掛けがないと、階段やスロープを何度も往復して重たい品々を運び込まなければならない。(※2Fの天井にU字フック(B)が埋め込まれている点に着目)

▲ほとんどのタワーは、階段途中や2Fの窓際がネットなどで覆われている。これは野鳥の糞や巣作りから建物内部を保護するための対策である。

▲しかし屋上には防護ネットはない。ということは…屋上は野鳥の糞害でご覧の通り。これでは避難どころではない(※リアルな写真は出せないので、CG加工したものを掲載)。なお、先ほどの水道設備(C)は建物内の清掃用であり決して飲料用ではない。
浜提の上に形成された 集落

▲南国市の海岸線には浜提が続いている。(※ピンクの領域)

▲浜堤とは、砂が波によって移動して堆積し、海岸とほぼ平行に土地が少し盛り上がって形成されたエリアのことである。

▲集落が浜提上にある証①…手前の家屋に対し、その奥の家屋の屋根や2Fが並んで見えている。土地がこんもり盛り上がっているためだ。

▲集落が浜提上にある証②…土地が緩やかな坂道になっている場所がいたるところにある。

▲集落が浜提上にある証③…畑の土壌が土ではなく砂地になっている。

浜提の南に広がる 海岸線

▲高知龍馬空港の南、海岸線2kmの堤防沿いに整備されたリフレッシュ海岸。太平洋を一望できるのはもちろん、東は室戸岬…

▲西は桂浜~横浪半島まで見渡せる。その海岸線に沿うように、11基の津波避難タワーが連なっている。

▲しかし自然が一度牙を剥くと…

⑪久枝南タワー のケース


▶収容人数=460人/杭長=27.0m/津波到達予想時間=29分/予想浸水深=4.92m+α


▲この久枝南タワーは、南国市で一番海岸線に近い位置へ設置されている。


⑩下島浜タワー のケース


▶収容人数=115人/杭長=18.0m/津波到達予想時間=31分/予想浸水深=4.43m+α




⑨前浜 浜窪タワー+⑯⁉ のケース


▶収容人数=150人/杭長=11.4m/津波到達予想時間=30分/予想浸水深=6.37m+α

▲親子のような造りになっている前浜浜窪タワー。低い建物は南海トラフ地震の被害想定の見直しに伴い、避難時に安全な高さが確保出来ないことが判明した。そこで隣接して新しい基準で造られたのが高い建物である。

▲高い(新しい)タワーは16基目ではあるが、低い9基目の建物と鉄骨で連結されていることからツインタワーとして、ひとつにカウントされている。

▲古いタワーはアナログで備蓄倉庫の扉を開ける仕組みだが、新しいタワーは他の津波避難タワーと同様の(揺れ)センサー式を採用している。

⑧前浜 久保タワー のケース


▶収容人数=369人/杭長=18.3m/津波到達予想時間=38分/予想浸水深=0.75m+α




⑦前浜 伊都多タワー のケース


▶収容人数=557人/杭長=22.5m/津波到達予想時間=37分/予想浸水深=0.84m+α

▲伊都多タワー前の広場(※写真左)の地下には、ライフラインが断たれた時の飲料水を貯蔵する水槽が埋められている。

▲「東日本大震災」前は、元々隣の伊都多神社が緊急避難場所に指定されていた。

▲しかし「住民の命を守り切れない海抜の可能性がある」と、神社隣に伊都多タワーが建設されたのだ。



▲このタワーは、伊都多神社境内にあるため景観に配慮した色彩を採用している。
予告:備蓄品として欲しい品は 住民の手で…


▲次回は6つのタワーを巡ります。

▲「役所に任せてばかりはいられない」と、日々減災のためのメンテナンスをする防災会長さん。

▲遍路道沿いに設けられたタワーとは⁉

コメント
昭和の初め頃須崎から大豊方面へ延びた鉄道開通を潮に作られた鉄道唱歌
当時は土讃線の名ではなく高知線と呼んでいたらしいけんど
その歌詞のなかの土佐山田駅から今の繁藤駅(往時は天坪駅の呼称だったらしい)へ山をのぼった様子の文句は
「いつしか汽車は峰の上 雲の晴れ間を見下ろせば 香長の平野青々と
太平洋につゞくなり」
と詠まれちゅうがよ
土佐山田から繁藤へ次々にトンネルへ入っては出て入っては出てしながらあえぎ喘ぎのぼり眼下に眺めた青々として太平洋まで広がった香長平野とはおそらく土佐山田から南国市方面の田園風景よねえ
末は海方までつながる県下一等の平野じゃけんど
つまりは平地が延々と広がっちゅうということで地面も空もスカットだだっ広いことこの上なく住むにも農業するにも絶好の地形でええことだらけじゃけんど
こと津波となると気が気じゃない地形となるわねえ
よそに起きた大地震・大津波を他山の石として南国市は海岸ぶちに南海地震の津波対策として減災施設の避難タワーを準備してきちゅうことがはっきり判ったわ
なかでも大湊小学校のすぐ隣に大湊小南タワーがあるのは何とも頼もしいねえ
ありがたい避難タワーやけんど鳥害の対策まで考慮して行く必要がある現実があり長く管理して行く気遣い・気苦労があるろうことも知れたわ
昔からお寺さんやお宮さんなどが地区の非常事態の避難所になってきちゅうことがあらあねえ
お祭りなどでの寺社参りが日頃から当たり前に繰り返されてきて馴染み身につけた生活模様のおかげで危急存亡のときの拠りどころとなってきちゅうことがあったろうよ
そうであったなら避難タワーも常日頃から避難訓練だけじゃなく催し物開催などでの行き来利用する方策があって行きよったらええがねえ
早速ご覧いただきありがとうございます。
津波と対峙する南国市の「減災」への取り組みを分かっていただけたことと思います。
「昔からお寺さんやお宮さんなどが地区の非常事態の避難所になってきちゅうことがあらあねえ…」
仰るように、昔から地区には避難所が設定されてきました。
この件に関する深掘りは、「命の別名シリーズ4」で出て参ります。
引き続きご覧いただけると嬉しいです。